第3回インタビューでは、国内有数のラーメン会社の味千拉麺を展開する重光産業株式会社 副社長、重光よしえさん(以下チィちゃん)のキャリアの歩みと経営哲学を中心にインタビューいたしました。

Q:Amour
ラーメンの世界的リーディングカンパニーの重光副社長にインタビューさせていただき、本当に嬉しい限りです。ありがとうございます。どうぞ、宜しくお願いいたします。
A:チィちゃん
とんでもないです。
Q:Amour
それでは、自己紹介をご自身の中でご自身なりに、お話くださいませんでしょうか?
A:チィちゃん
私は熊本で生まれて熊本で育ちまして、高校、大学と熊本だったんですね。その後、地元テレビ局に放送局に就職して、そこで 3年半ぐらいラジオキャスターをやっていました。
それで、ラジオカーのミニー号という愛称の車であちこち朝から晩まで各地のあらゆる所に取材に行って、放送をしていました。その放送局をその後退社して、アメリカに行きました。
ずっと大学の頃からアメリカに行きたいと思ってたんですけれど、父がなかなか許してくれなくて‥
当時ね、私はまじめないい子じゃなかったので、跳ねっ返り娘をアメリカにやるときっと、とんでもないドラッグ中毒かなんかになるんじゃないかという父の心配があり、大反対で、どうしても行けなかったんです。 なので、仕事をしてお金を貯めて、大体貯まったので、で、アメリカに行く決断をしました。
大反対を押し切って家を飛び出すような形でアメリカに行きました。
Q:Amour
アメリカのどこに行かれたんですか?
A:チィちゃん
その時は、一番最初にウィスコンシン州のマディソンっていう所に行きました。
Q:Amour
アメリカで何をされていたんですか?
A:チィちゃん
まず、アメリカでは英語力が必要だと考え、マディソンの英語学校に入って、そこからトランスファーしてニューヨークの大学に入学しました。
ニューヨークの大学って言ってもカレッジでしたけど、私はホテル & レストランマネジメント科があるところに行きたかったので。 たまたま、ホテル & レストランマネジメント科を見つけ、その学校が面白そうだなと思ってトランスファーで入学したのがニューヨークの学校でした。
その大学はカレッジでしたので、年半間ぐらい学生生活を送って、その後ニューヨーク、マンハッタンに住みました。
その後、マンハッタンで約1年ぐらい住んでました。
Q:Amour
だから、マンハッタンにお越しだったんですね。
A:チィちゃん
そうなんです。
Q:Amour
マンハッタンの街にとっても慣れてらっしゃるな、と思いました。
A:チィちゃん
そうです。マンハッタンはずっと住んでたんで、特にミッドタウンの眞子さまがこの前まで、お住まいだったヘルズキッチンと言われる辺りに住んでたんですよ。
Q:Amour
あの辺りは本当に良いエリアですよね。
A:チィちゃん
とってもいいところですよ。便利だし。
私が住んいた頃はそんなに高額ではなかったんですけど、今は随分高くなりました。
あっという間どんどんどんどん家賃が上がって、私が住んでたアパートメントが、今は3000ドルぐらいすると聞きました。
Q:Amour
今は6000ドル以上すると思います。
A:チィちゃん
とんでもなく上がっちゃったんですね(苦笑)
マンハッタンはもうめちゃくちゃ物価が上がりましたね。
グリーンカードがないと永久に住めないので、学生ビザが切れる時に、漸く、働きながらグリーンカードをサポートしてくれるっていう会社が見つかって、そこで働き始めた矢先に、父が倒れたんですよ。

Q:Amour
運命ですね。
A:チィちゃん
そうなんです。でね、随分悩みましたけれども、このままニューヨークにいてもグリーンカードが本当に取れるかどうかわからないし、父の大反対を押し切って留学しましたから、やっぱり一度戻ろうと決心し、日本に帰国したんです。
その後、わが社に入社しました。
わが社は父の代で会社を起こし飲食店などの卸業を営んでいました。
当時ラーメン店は、すでにチェーン展開もしいていましたし、食材を作る工場も持っていました。
帰国し、わが社である、重光産業株式会社に入社し、父の秘書をしていましたが、’97年の2月22日にとうとう父が亡くなりまして。
当時まだ 20代の長男である弟が社長を受け継いだんです。
だから私も、社長の弟を支えることに専念しました。
それから、弟とずっと二人三脚でやってきました。紆余曲折ありましたけど、「二人でやってきた」という感じです。
Q:Amour
それでは、中国に進出されたきっかけって何だったんですか?
A:チィちゃん
中国に行ったきっかけも、やはり父が、昔から世界中にラーメン大好き人間を一人でも多く作りたいって言っていたんです。
父はその夢を持っていたので、亡くなる1年ぐらい前から、香港のパートナーとご縁を持ち一緒に香港にお店を作ろうという計画で進んいでたんです。
父が亡くなる半年ぐらい前、1996年の7月に香港1号店がオープンしました。
Q:Amour
香港からスタートされたんですね?
A:チィちゃん
はい。香港でスタートしました。
Q:Amour
中国から世界のラーメン市場に火をつけたのは御社ですよね?
A:チィちゃん
そうですね。井戸を掘ったっていう感じですね。
Q:Amour
ですよね。中国は、かつてラーメンがなかったですもんね。
A:チィちゃん
本物のちゃんとした日本のラーメンっていうのはなかったんです。
1996年に香港に最初にお店ができて、1997年には深圳にお店ができましたからね。
Q:Amour
じゃあ、深圳がまず中国本土の1号店なんですね。
A:チィちゃん
そうですね。それで本格的に上海にお店ができたのは2000年です。
Q:Amour
とても早いですね?
A:チィちゃん
はい。早かったと思います。
まず、香港ですごい大ブレイクしまして。
それから、香港からすぐ深圳にできて、上海に飛んでいってという形でね。
それでどんどんお店が増えていきました。
Q:Amour
中国市場上場されるきっかけって何だったんですか。
A:チィちゃん
うちは単独でやっているわけじゃなくて、中国に進出する際にパートナーがいたんです。
Q:Amour
中国人のパートナーさんですか?
A:チィちゃん
香港に中国人のパートナーがいて、その香港のパートナーと共にフランチャイズ展開をしていったので、そのパートナーと作った会社が上場したんです。
Q:Amour
とても素晴らしい偉業ですね。御社のストーリーはラーメンのことわからない人でも語り継がれています。
A:チィちゃん
そうですか?ありがとうございます。
Q:Amour
それでは、中国にずっと行ってらっしゃったんですか?
A:チィちゃん
そうですね、行ったり来たりでしたね。私は1996年~1997年は香港、シンガポールにいたんです。
あの頃は、父が亡くなったショックもあって、なんかあんまり日本にいたくなかったのもありましたし、ちょっと半分放浪してたような? (笑)
Q:Amour
香港の1号店から中国に進出され上場までどれぐらいのお時間でできたんですか?
A:チィちゃん
香港1号店が 1996年です。
上場したのが2000年ですから、3、4年ぐらいじゃなかったかと思います。
Q:Amour
それで今現在は、御社の副社長さんでいらっしゃいますね?
A:チィちゃん
そうです。弟が社長で。私が副社長です。
Q:Amour
それでは、3Dリップセラムをお使いいただいていかがですか?
A:チィちゃん
とってもいいですね。潤いがいいし、なんかこう、唇がふわっとなったような気がします。
私の知り合いにもわざわざプラセンタを入れている人がいますけど、なんかね、私もやりたいなと思いつつも、でもまあ、あそこまでね、ぷっくりさせるのはね~、と思っていたんですが、いわゆる美容整形に行かなくても唇ぷっくりになり、晴らしい商品ですよね。
その上に、乾燥が減りました。
素晴らしい商品をお作りになったと思います。
Q:Amour
それでは、口腔スプレーはいかがでしたか?
A:チィちゃん
実は、私も最近、歯周病が気になっていて。お口の臭いってすっごく気になるんですよね。
だから、市販の薬局とかでよくマウスウォッシュマウス商品として売っているものをシュッシュってしても、後でなんか気持ち悪くて、結局うがいをたくさんしなきゃいけないのですが、あれはうがいも必要なくとても爽やかでいいですね。
Q:Amour
オーガニックですから。安心して使っていただけます。
A:チィちゃん
オーガニックがいちばんです。やっぱりオーガニックのこの安心感っていうのはすごくありますね。口に入れるものだから。
年齢重ねていくとね、若い時以上に注意しなきゃいけないと思います。
やっぱり自分自身で注意していきたいところですよね。
Q:Amour
それでは今のお仕事はどのような内容なのでしょうか?
A:チィちゃん
私は経営全体を見ています。
わが社は部門よって分かれていますが、私たちは、社員のみんながとにかく働きやすく、楽しく、そして夢に向かって一丸となって働けるようにするのが経営者の務めだと思って経営しています。
Q:Amour
味千拉麺は、全世界のフランチャイズ店も含めて今何店舗ありますか?
A:チィちゃん
今、780店舗ぐらいです。
Q:Amour
今後の経済活動はどのようにお考えですか?
A:チィちゃん
食っていうのはなくてはならないものじゃないですか。
だから、なるべく安い価格で美味しく食べられて、お腹いっぱいになるっていうのがラーメンだと思っています。
美味しく、なるべく安く、だけど安心安全に食べられるっていう食品作りを私たちは目指しています。
Q:Amour
世界のラーメン事情を教えてください。
A:チィちゃん
今、いろんな国でいろんなラーメンができてきていると思います。
とんこつラーメンというのは、ムスリムの人たちには受け入れられないですので、一言では言い難いです。
でも、醤油味だけでは難しいので、エビ出汁などのラーメンになりますし、ヴィーガンの人たちにはそれもダメですので昆布出汁とかのラーメンになります。
一般的にラーメンに使うのは豚の骨ですから、骨から出る栄養素もありますし、ビタミンB1、B2までありますからね。更に食べ合わせによってはすごく栄養価が上がります。
Q:Amour
それでは、美容と健康の秘訣を教えてください。
A:チィちゃん
元気の秘訣は、私いつもラーメン食べていますからって言っています。
Q:Amour
それは本当の話ですか?
A:チィちゃん
本当の話です。
Q:Amour
それでは、綺麗の秘訣は?
A:チィちゃん
綺麗の秘訣ですか。綺麗じゃないんで、そして女子力高くないですし。
でも枠にとらわれずに自由に生きてるからじゃないですかね。

Q:Amour
もうすぐホノルルマラソンですね?
A:チィちゃん
はい。毎年 12月。これはずっと参加していて、10年目になりました。でもまだ10回目ではないんですよ。
チャレンジ10年目ですけど、2回行けなかったので。 コロナで一度はマラソン大会自体がなくて、翌年は帰ってきたらマストで隔離だったので諦めました。
Q:Amour
世界に旅立たれて、良かったなと思われることは何かありますか?
A:チィちゃん
やっぱりね、考え方が広がりますよね。こうでなければいけないっていう固定概念がなくなり思考の幅が広がったと思います。
日本は、本当にきっちりとした素晴らしい国なんだけれども、重箱の隅を突くようなところがあるじゃないですか。
だけど、そういうことじゃなくて、もっと大きな目で考えれば、上から見たり、下から見たり- 右から見たり左から見たりっていうね、そういう俯瞰する目を海外で学んだような気がします。
Q:Amour
旅行でゆっくりするならどこに行きたいですか?
A:チィちゃん
難しいなぁ。もうあらゆるところに行きたいんで、旅行に行きたい場所はいっぱいあるんですよ。私のバケットリストはもう本当に、いっぱいあるんですけど、でもやっぱりね、ニューヨークが好きですね。
初めて居を構えて、住んだのがニューヨークですから。
やっぱりニューヨークは、第二のふるさとです。
素晴らしい最高峰のレストラン、食べるもので言えば、最高峰のレストランからめっちゃくちゃジャンクフードまで、多様性に富んいでるじゃないですか。
そして、素晴らしいメトロポリタンオペラから、ストリートパフォーマンスまで、 そういう芸術的なこともいっぱいありますので。
私的には、メトロポリタンオペラとか、ああいうニューヨークシティバレエでも十分なんですよね。
ニューヨーク行くとマンハッタンに入ったら、いろんなものに距離が近いじゃないですか。ちっちゃいところにぎゅーっと詰まっているところが好きです。
Q:Amour
リゾートだったらどこですか?
A:チィちゃん
えー、リゾートだったらやっぱり私はダイビングをするので、モルディブですね。
そして、タヒチに行きたいですね。タヒチまだ行ったことがないので、タヒチ行きたいですね。
Q:Amour
瞑想のお写真を拝見したのですが、瞑想をされているのですか?
A:チィちゃん
そうです。私はヨガが大好きなんです。
ヨガの瞑想しているんですけど、あれは、ベトナムのダナンです。
シンガポールはお店もありますから、オーナー会議とかをするために行って、その空き時間に泳ぎに行ったりとか、そういうのが好きですね。

Q:Amour
これからの夢を教えていただけますか?
A:チィちゃん
世界中に一人でも多くのラーメン大好き人間を作りたいっていうのが、うちの父の夢だったんです。父はその志半ばで、天国に旅立ってしまったんで、そのバトンを私が受け取って、今そのバトンを握って走っているところなんです。
私もやっぱり世界中に一人でも多くのラーメン大好き人間を作ることで、世界の平和に貢献したいと思っています。
だから世界中にお店を作って行きます。
最近は新しいところでは南米のベネズエラとかにもお店ができたんです。
ベネズエラにも少しずつですけれど、広めていく予定です。
そして、まだラーメンが根付いてないような国にラーメンを届けに行きます。
いろんなラーメンの価値が上がって、みんなが知ってくれて、食べるようになっていただければ。 ラーメン大好き人間って増えるじゃないですか。
そういう意味でもラーメン業界全体で、盛り上がっていけたらなと思っています。
Q:Amour
今の時代ってそういう時代ですよね。
競合を作らない。全体が盛り上がれば業界シェアが上がるわけですからね。
A:チィちゃん
その考え方すごく素敵だと思います。
Q:Amour
いつもキラキラ輝いていらっしゃって、行動力もおありですよね。
本当にちょっと隣町に行くぐらいの勢いで世界中を移動されていますよね。
A:チィちゃん
多分、出かけるのが好きなんでしょうね。DNAですかね。
母が太陽のような人なんですよ。重光家の太陽なんです。

Q:Amour
それは素晴らしいですね。じゃあ最後にチィちゃんのゴールは何ですか?
A:チィちゃん
世界の平和に貢献できる人物になることですかね。
私は、独身なんで、自由にできますから。
子供とかがいる人から見れば、私たちは子育てもしなきゃいけないし大変なのに、シングルだからできるんでしょって言われるかもしれないけれども、それはそれでいろいろ選択しながら、私もここまで家庭に入るのか、それとも自由を目指すのかっていうことで選択してきて、今の自分があるんで、本当にそれには微塵も後悔してないんですよね。 だからいろんな生き方があるっていうことを、私を通して伝えられたらいいなと思います。
結婚だけが価値じゃないし、結婚することももちろん素晴らしいことだし、でも結婚だけが価値じゃない。
子供を産むことも、本当にそれは素晴らしいことです。
子供がいないと未来、将来が成り立たないわけですからね。
だけど、その産まない選択をする人も、それはそれでいいんだよっていう、 その人の人生で、その人が悔いなく、後悔がなければいいし。
女性でも別に結婚してなくてもフランスみたいに子供を産んでいいと思うんですよね。
いろんな選択を認めてあげて、社会で育て上げられるような、仕組みとか制度ができてくるといいなって、私は思っています。
日本は意外とお手伝いさんを気楽に雇えませんけど、世界ではお手伝いさんってイージーですよね。
香港なんか特に別にそんなお金持ちじゃなくても、普通の家庭でも、ちょっと手助けのお手伝いさんがいる。
お掃除をしたりとか、子供の面倒を見たりとか、子供の送り迎えをしたりとかしてくれるお手伝いさんがいるんですよね。
だから、日本ももっとハードルが下がるといいなと思っています。

Q:Amour
素敵なお話をありがとうございました。
また、今度は東京か LA でお会いしましょう。
【インタビューを終えて】
インタビューでは終始、チィちゃんの笑い声が響いていました。
世界的なラーメンブームの火付け役、味千拉麺を率いるチィちゃんのエネルギーの起源をお伺いすることができ、笑顔で次に会う約束をし、素敵なインタビューが終わりました。
九州熊本豚骨 味千拉麺
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