
Vol.2 歯磨き粉の選び方
前回のVol.1では、自分に合った歯ブラシの選び方についてお話しました。
今回は、その歯ブラシと並んでお口の健康を守る重要なアイテム「歯磨き粉(歯磨剤)」の正しい選び方について掘り下げていきましょう。
実は、歯磨き粉はただ口をスッキリさせるためのものではありません。配合されている成分によって、虫歯予防、歯周病対策、知覚過敏の緩和など、様々な「薬効」を期待できる優れものです。
ご自身の「お口の悩み」と「目的に合った成分」を照らし合わせ、最適な一本を見つけましょう。
1.虫歯予防に必須!「フッ素」のチェック
虫歯予防を目的とする場合、最も重要な成分はフッ素(フッ化物)です。
フッ素は、歯の再石灰化を助け、歯質を強化し、虫歯菌の活動を抑えるという三つの働きを持っています。
【成人が選ぶべきフッ素濃度】
日常的な虫歯予防に効果を期待できるフッ素濃度は、1000ppm以上、特に1450ppmのものが現在の日本における最高濃度であり、最も推奨されています。
1450ppm配合と明記されているものを選びましょう。
「フッ素配合」とだけ書かれていて濃度が不明なものは、予防効果が十分ではない可能性があるため注意が必要です。
【フッ素を活かす正しい使い方】
フッ素の効果を最大限に引き出すためには、磨き方だけでなく、うがいにもコツがあります。
適量:大人の場合、1.5~2cm程度(歯ブラシ全体)の量を目安に付けます。
すすぎ方:磨き終わったら、少量の水で1回だけ軽くすすぎましょう。フッ素を洗い流しすぎると効果が半減してしまいます。
2.目的別!「薬用成分」をチェック
フッ素以外にも、ご自身の抱えるお悩みに特化した成分を選ぶことで、毎日のケアの効果を高めることができます。

3.磨き残しを防ぐ!「研磨剤・発泡剤」の注意点
市販の歯磨き粉には、清掃効果を高めるための研磨剤や、泡立ちを良くする発泡剤が含まれているものが多くあります。

院長からのメッセージ
歯磨き粉は、単なる「清涼剤」ではなく、あなたの口腔内の状態を改善するための「薬」に近いものです。もし、市販の製品選びに迷われたり、ご自身の症状にどの成分が最適か判断に困る場合は、いつでも当院にご相談ください。
あなたの健康な未来のために、最適な一本を見つけるお手伝いをさせていただきます。

天神HIT歯科院長中村 有佑(なかむら ゆうすけ)

【経歴】
・福岡歯科大学卒業
・九州大学病院研修勤務
・ひろえ歯科勤務
・博多ひろえ歯科勤務
・みとう歯科非常勤勤務
・吉塚セット歯科勤務
【資格・所属学会】
・日本歯周病学会
・日本補綴歯科学会
